キャンペーンで八木新宮線にタダ乗りして十津川温泉へ行ってみた
奈良県南部(奈良県庁をはじめとした地方自治体は「奥大和地区」と呼んでいるようです)は広大な山岳地帯です。洞川温泉や十津川温泉をはじめ、温泉地が数多くありますが、鉄道が通っておらず交通の便はよくありません。そのため奈良県では奈良県南部への誘客施策として路線バス運賃のキャッシュバックキャンペーンを不定期的に実施しています。今回はそのキャンペーンに参加してみました。
今回のキャンペーンは、対象施設で宿泊をすると往路の路線バス運賃が全額キャッシュバック、更に復路の路線バスで使える無料乗車証がプレゼントされるという超大盤振る舞いキャンペーンでした。ということで、せっかくなので最もバス運賃が高額になる十津川温泉へ行ってみました。
十津川温泉へ行くバスといえば、日本最長の路線バスとして有名な八木新宮線です。全長約 167 km もの長距離を高速道路・有料道路を一切経由せず、途中3回の休憩を挟みつつ6時間以上かけて結んでいます。そんな長距離バスですが、意外にも車両は普通の市内バスと同型の車両が使われています。車内にはトイレがなく、座席にはテーブルもないので注意が必要です。
始発となる近鉄大和八木駅前の様子です、左側の車両が今回、十津川温泉まで乗車したバスです。右側は関西空港行のリムジンバスです。関西空港まではせいぜい1~2時間程度。時間の長い八木新宮線が一般車両で、リムジンバスが観光タイプというのはちょっとしたムジュンのような感じがして面白いですね。
奈良交通バスの整理券です。奈良交通では全国相互利用ICカードに対応しているため、本来であれば整理券を取る必要はなく、ICカードをタッチすればよいのですが、今回は現金支払でないとキャッシュバックの対象にならないという決まりになっていましたので、駅前のコンビニで現金を用意して乗り込みました(笑)
八木駅を出発して1時間半ほどで、最初の休憩場所「五條バスセンター」に到着です。ここでは20分間の休憩があります。五條バスセンターはイオン五條店のすぐ横に併設されているため、休憩時間のあいだに買い出しに行くことも無理ではなさそうです。とはいえ、時間がかなり限られているため、なるべくなら乗車前に準備しておくのがよいでしょう。なお飲み物に限っては、バスセンター内に自動販売機が設置されているため、無理なく購入することができます。
2回目の休憩場所「上野地」バス停の近くには「谷瀬の吊り橋」があり、小さな観光名所となっています。長さは約 300 m あり、日本一の長さを誇ります。入場料などは特にかからず、無料で渡ることができます。トイレに行かなければ時間的にも比較的余裕がありますので、ぜひ足を運んでみてください。周囲の売店では串こんにゃくが売られており、小腹が空いた際には気軽に購入することができます。
上野地を出発して約1時間半ほどで、最後の休憩場所「十津川温泉」に到着します。バス車内の放送では「この周辺が十津川村では一番の都会で…」とアナウンスされていますが、村内一番の都会だけあって徒歩圏内には飲食店や一般商店だけではなく、薬局や理髪店などの生活に必要なお店や、自動車修理工場なんかもあったりします。今回宿泊した宿はこの十津川温泉バス停から少し先のバス停が最寄りでしたが、まだ宿に直行するには少し時間に余裕があったのでここで下車することにしました。
1,000円以上の運賃を支払う際は、乗務員さんが運賃箱を操作して両替機能を一時停止にし、紙幣投入口に吸い込ませるのが通常ですが、距離が長く運賃も高額となりがちな八木新宮線では「運賃紙幣投入箱」と書かれた縦長の箱が併設されていました。ここに紙幣を投入し、端数は通常通り運賃箱に入れて運賃の支払いをしました。そして乗務員さんに、キャンペーン利用の旨を申告すると、写真のような黄色い紙を書いてくださいました。運賃額は、なんと大人ひとり3,400円!これを宿泊施設の窓口でチェックインの際に渡すことで、キャッシュバックが受けられるという仕組みです。偽造防止のためか、紙にはホログラム加工のされたシールが貼られていました。
また、写真は撮っていませんがチェックイン時にはアンケート用紙も配布されました。一応これに回答することでキャッシュバックを受けることができるようになる、ということのようです。
そして翌朝、チェックアウト前に復路の乗車区間を宿泊施設に申告し、復路用の乗車証を発行してもらいます。こんどは帰りのバスで降車の際に運賃を支払う代わりに、乗務員さんにこの乗車証を手渡せばOK、というわけです。こちらにもしっかりホログラムのシールが貼られていました。こんなただの紙切れに3,400円×3人分で、1万円以上の価値がある、ということになります…。
以上で完了です。アンケートもA4両面が1枚だけで、難しい手続きも不要で手軽な旅行ができました。今回のキャンペーン期間は終了となりますが、また開催されることがあれば上手に活用してぜひ奈良県南部の自然を満喫してください。
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