渡船に乗ってJR九州の蓄電池車両「DENCHA」に乗りに行った
「DENCHA」はJR九州と日立製作所が共同開発した、世界初の交流電化を用いる蓄電池車両です。福岡県北九州市の非電化路線「若松線」で試験導入され、現在では同線のすべての定期列車がDENCHAで運行されています。同線はいわゆる盲腸線で、終点の折尾駅で鹿児島本線に接続している以外は他の鉄道路線と接続しておらず、鉄道を利用すると必然的に折り返し乗車をすることになります。
しかしながら起点の若松駅は鹿児島本線の戸畑駅と直線距離にして1キロ程度しか離れておらず、その間は市営バスや渡船などの公共交通機関が結んでいます。海底トンネルや海峡大橋を渡る一般路線の市営バスもなかなか興味をそそられますが、今回は片道100円で利用でき市民の足として長きにわたり活躍している若戸渡船に乗ってみました。
今回は鹿児島本線の戸畑駅からスタート。改札を出ると出口案内にも「若戸渡船方面」の記載があります。
改札口は駅の南側にありますが渡船は北側なので南北自由通路を通行して北側へ出ます。
地上へ出ると目の前に小さなロータリーと、そこからまっすぐ伸びる一際大きな通りがあります。看板の指す通りにその大きな通りをまっすぐ進めば渡船のりばに到着します。一本道ですので迷う心配は全く皆無でしょう。
しばらく進むと若戸大橋が見えてきます。そして大きな通りが丁字路になっているところが、若戸渡船の戸畑渡場です。
戸畑渡場の待合室です。どこか昭和の雰囲気が漂っているような気もします。
乗船券は食券式となっています。
そしてこちらが渡船に使用されている「くき丸」です。今回実際に乗船したのは「第十八わかと丸」です。
広い客室ですが座席はロングシート式で10人も座れば満席になってしまいそうな狭さです。2階にも客席甲板がありますが、冬場の早朝でとても寒く、乗客も10人に満たなかったので全員が客室の座席に座っていました。
そして離岸からものの3分程度で対岸の若松渡場に到着。離岸直後から見えるほどの至近距離です。
若松渡場から若松駅へは待合室を出て左手方向です。
海岸沿いを進んでいきます。
若松駅までは徒歩10分弱くらいで到着します。
駅舎外壁はリノベーションされていて部分的に見ればオシャレカフェのよう。
そしてこちらが蓄電池車両「DENCHA」です。外観はベースとなる817系と大差ありません。
車体には蓄電池車両という特徴を見事に図案化したロゴマークがあしらわれています。
そして屋根上には充電用のパンタグラフが搭載されていますが、非電化区間の走行には使用しないため折り畳まれています。
車内照明にはLEDが使用されており非常に明るい印象があります。その他はやはりベースとなる817系と同等となっています。
ただし車端部には蓄電池が搭載されている都合上、デッドスペースが発生しています。
車内の案内装置にはLCDが採用されており、日本語や英語だけでなく韓国語や中国語にも対応していました。
ベースは817系ですが形式は「BEC819系」という別形式となっていました。若松方が「クモハBEC819」、折尾方が「クハBEC818」で運用されています。
そして扉にはJR九州のマスコットキャラクター「KUROちゃん」があしらわれています。
走行感やモータ音などはベースの817系とほぼ変わらず、非電化区間とは思えないなめらかな走行でした。
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