2017年8月25日金曜日

北朝鮮の都市「恵山」を望む中国の小さな町「長白県」に日本人が1人で行ってみた(脱出編②)


そして憧れの無空調列車、25B形でまずは通化へ。とは言いつつも車窓は割と単調でかなりの間眠っていた。




通化に着いて、まずは翌朝のきっぷを確保。通化で1泊したわけだが、必要性があったわけではなく、単に列車が1日1本しかなかったためだ。しかも無空調列車。かなり飽きっぽい性格なので、正直臨江からの列車でも最初の30分くらいで "満足" してしまったのだが…。
ただ、ここでひとつとても残念なことに気づいてしまう。通票のことである。新空調列車が幅を利かせている今の時代、座席指定のみの0元券はかなり入手が難しくなっているが、臨江で通票を仕込んでおけばここで入手できたはずだ。しかしもう後の祭りだ。無念にうちひしがれながら宿へ向かう。



今回の宿は通化駅を出て道路を渡ったところで一際目立つ、まさに "駅前" の通化万通ホテルだ。そこそこな価格でかなりの部屋に泊まることができ、なおかつ交通至便でオススメ度はかなり高い。ただし通化の街は駅からかなり離れたところにあり、路線バスもしくはタクシーが必須のため計画的な利用が必要だ。


宿にチェックインし、腹が減るまで時間を潰したら夕飯を食べに外へ出る。宿の近くに「朝族狗肉冷麺店」なる店があった。

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石焼ビビンバと水餃子(20粒)をオーダー。中国の感覚ではどちらも主食らしく、「で、どっちなん」(意訳)と聞かれたが両方と答える。釈然としない顔をしつつ両方出してくれた。が、もちろん食べ切れるはずもなく、、といっても日本人思考なのでせっかく出してくれたのに残す訳にもいかず、何とか腹に収めて店を後にした。


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店の裏手には数々の屋台が出ており、とても活気があった。が、腹がはちきれそうなほど食べた直後だったので、一通り眺めて雰囲気を楽しみつつ宿へ戻った。



翌朝、6時半の列車だったので5時に起き、フロントで寝ていた服務員を叩き起こし、服務員がチェックアウト時の検査員を無線で叩き起こし、、、結局何度呼びかけても返事がなく(多分寝てる)、またしても確認なしでデポジットを返金してもらいチェックアウトとなった。
やはり中国にいると出発の1時間前に駅に行く癖は抜けず、今回も田舎の小さな駅できっぷも購入済みなのでスムースに入場し結局50分くらい待たされた。乗り遅れることに比べれば数億倍マシだが。
(4318次)通化 6:38 ⇒ 丹東 13:15


通化から丹東へ向かう列車は通灌線(つうけんせん、通化と灌水を結ぶ)、鳳上線(おうじょうせん、鳳凰城と上河口を結ぶ)、沈丹線(しんたんせん、瀋陽と丹東を結ぶ)の3路線を経由する。そのうち通灌線は2009年に着工し2012年に開通した真新しい路線で、広大な平野と急峻な山地を長大トンネルや超高層橋梁で結んでいながら、旅客列車としては非空調列車が1日1往復するのみという、さながら鉄建公団線のような様相だ。簡単に言えばとんでもない田舎を通るということだ。中国の田舎の風景といえばよく水墨画のようなどと喩えられることもあるが、写真を見てもらえばまさしくそういった雰囲気が感じられるのではないだろうか。

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灌水から先の鳳上線は、偽満州国時代の1943年に開通した歴史ある路線のため、列車も一気にスローダウンする。とはいえとんでもない田舎であることには代わりなく、廃屋同然の駅舎が現役で使用されているというとんでもない路線だ。


それなのに最近では臨時旅游列車なるものも運行されているらしい。緑色の客車と併結して運行されている列車とすれ違ったが、時刻表と照合してみると定期列車に増結して運行されているわけではなさそうだ。


そして通化から実に6時間半を要して、見慣れた都会の丹東へ到着。


番外編「北朝鮮を眺めながら天然温泉に浸かれる『丹東江戸温泉城』に行ってみた」へ続く

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