2017年8月16日水曜日

北朝鮮の都市「恵山」を望む中国の小さな町「長白県」に日本人が1人で行ってみた(犬肉編)

下山後、犬肉通りに戻ってくるわけだが、まだ夕食には時間が早かったので一旦宿に戻った。しかしながらこの日の夕食は長白での最後の晩餐ということなので、もちろん犬肉を頂くということは心に固く決めていた。


というわけで宿でテレビを観ながら腹が空くまで待機して、再び犬肉通りへ。しかし本当に店が多くてどこにしようか迷ってしまう。結局店の中を覗き込みながら3往復くらいしてようやく「焼肉・村」(烤肉・村)という名前の店に決めた。



あいにく内装写真は撮り損ねてしまったが、こぢんまりとした焼肉店といったところで、4人掛けのボックスシートが4ブロックくらいあり、それぞれの卓上には炭焼き器と肺炎装置が設置されているという、日本でもよく見かけるごくごく普通の焼肉店だった。一通り食料を頼み終え、焼肉をしないと分かると炭焼き器をどけてくれた。店員さんに感謝しつつ、卓上のお茶を飲む。見た目はどう見てもお茶だが実は梅ドリンクだった。なにげに初めて飲んだが、とっても甘く気に入った。(と言いつつこの後も飲んでない)


そして念願の補身湯。ずっと保身湯だと思ってましたが補身湯が正しい表記らしい。この店のメニューでも保身汤って書いてあった気がするが…。スープは真っ赤でいかにも辛そうだが、見た目ほどは辛くなかった。他にもパクチーを始めとした3種類くらいの薬味(薬草?)とともに煮込まれており、犬肉特有の臭みはそれほど強くは感じられなかった。ただし獣のような味はしっかりとしており、例えるなら臭みを "程よく" 抜いた羊や猪に似た味だったと記憶している。非常に美味だったので、初めて犬肉を食べる人にとっても、ここの補身湯はおすすめできる。(日本からはアクセスが少々不便だが)


そして何を血迷ったかキムチも頼んでいた。キムチも店によって千差万別で、このところは初めて訪れた店でキムチを見かけるたびに食べ合わせも考えずに頼んでしまうのが癖になりつつある。
右は餅を揚げて砂糖をまぶしたものだ。詳しいことは忘れてしまったがメニューを見て何か美味しそうな名前だったので適当にオーダーして、やってきたものを一口食べてびっくり仰天してしまった。まぶした、と言えるような比率ではなく、餅と砂糖が1対1くらいの割合で "混ぜられている" 。それでいて揚げた後で混ぜただけなので、全く砂糖が引っかからない。何も意識せずに食べていると無味乾燥な揚げ餅でしかないという、料理とは到底言えないような代物だ。
…と言いつつも全くの無用だったかと言うとそういうわけでもなく、そこまで辛くない補身湯もキムチと一緒に食べるとだんだんと感じる辛さが強くなり、いわゆる「口の中がソウル」状態の一歩手前まで来てしまったので、時折山盛りの砂糖を嘗めることで口の中を癒やす、という専らそれ専用で食していた。(梅ドリンクもそれなりに甘かったのでそちらだけでも効能としては十分だったのかも知れないが。)


メインの補身湯を食べ終えても少し小腹が空いていたので、追加で芋餅をオーダー。中国語で馬鈴薯餅と言ったら芋餅ではなくハッシュドポテトを意味するのだが、この店で出てきたは芋餅とハッシュドポテトの中間くらいの見た目・食感だが甘さは芋餅並という謎の代物だった。とはいえおいしかったのでよし。
満腹になって大満足だが、これだけ頼むとお会計が少し心配になってしまう。こんな辺境の地で詐欺やぼったくりに遭うなんてことはまずないだろうが、金欠で飯代が払えないとなってしまっては一大事だ。ということで犬肉が高くても困らないように事前に現金をおろしておいたのだが、腹いっぱいで動けなくなるほど頼んでお会計は58元、日本円にしても1,000円程度という超破格の安さだった。ということで犬肉が食べたくなったらこのお店は本当にオススメできる。日本からのアクセスは(ry


食べ終わって外に出るとすっかり日が暮れていた。なんだかんだこの地で日暮れまで外にいたのはこの日が最初で最後だった。



というわけで宿への帰路は少し遠回りをして夜の街並みを楽しんでみた。やはり中国だけあってこんな辺境の地でもネオンが輝いているが、とりわけよく光っていたのが上の2つだ。前者は光りすぎて日本人ならラブホと勘違いしてしまいかねない普通のホテル、後者はなんと税務署だ。私立の大学がネオンを光らせるとよく「高い学費が光ってる」などと揶揄されているが、税金が光られてはたまったもんじゃないだろうなぁなどと笑いながら宿へと帰着した。

(脱出編①へ続く)

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