2017年6月18日日曜日

北朝鮮の都市「恵山」を望む中国の小さな町「長白県」に日本人が1人で行ってみた(川沿編①)

…話を少し戻して、長白県バスターミナルに到着後は徒歩でホテルまで移動し、ひと悶着あったものの何とかチェックインを済ませたら、帰りのバスのきっぷを買うためにバスターミナルまでお散歩。来るときは分かりやすい道を優先し市街地のほうを通ってきたが、せっかくなので今度は川沿いを歩いてみる。

(以下の画像はすべてクリックで拡大します。出血大サービス!)

川というのはもちろん鴨緑江。言わずと知れた中朝国境をなす川だ。すなわち対岸はもう北朝鮮ということになる。またはこの川をどんどんと下っていけば中朝国境の要衝とも言えるまち丹東に至るというわけだ。
川沿いには車道が通っているものの、遊歩道や普通の歩道などが整備されているわけではなく車道の端を歩くことになる。正確には歩道の残骸のようなものはあったが、舗装は剥がされており、さながら工事の下準備中といったところだった。車道を歩くといっても交通量は多くなく、時折農耕車が通るくらいの非常にのどかな雰囲気である。


しばらく歩いていると、遊歩道の整備計画が掲示されていた。かなり大規模な開発を予定しているようだ。ぜひともこれが完成した暁には再訪してみたいものだ。









とはいえ現時点でも要所要所にこういった休憩スポットが用意されている。写真のものは現在工事中で立入禁止との看板が立っているが、入場可能なところも何ヶ所かあった。ラジオを流しながらぼんやりと対岸を眺める人民や、3人くらいで川端会議をする人民などがいた。


少し歩いていくと山が開け、恵山の街並みが広がってくる。その入口のあたりに大きな看板が立っているのが対岸からでもハッキリと見えている。ただし意外と距離があるので何か文字が書かれていることは分かるのだが、残念ながら文字を判読することはできなかった。(望遠のきく一眼レフは持っていたものの、こういった場所でそういったものを向けるのは色々と誤解を生じかねないという話も聞くので、かなり悩んだが取り出すのはやめておいた。双眼鏡を持参しなかったのが残念でならない。)


そしてかの有名なこの看板だが、川沿いだけではなく街中にも一部見受けられた。
警告!严禁(厳禁)私自越出边境(辺境、中文で国境の意味)、严禁(厳禁)参加跨国犯罪組织(組織)。불법 월경 금지. 범죄조직 참가 금지. と書かれている。日本語に直すと「警告!密出国厳禁。国を跨ぐ犯罪組織への参加厳禁。(不法越境禁止。犯罪組織参加禁止。)」といったところだろうか。



こちらは大きな字で書いてあるのでまだ何とか読める。선군조선의 ** 김정은장군 만세!(先軍朝鮮の**金正恩将軍万歳!)と書いてある。



ちなみにズームしないとこんな感じの光景である。


バスターミナルの近くまで来ると、こんな立派な展望台がある。が、左の立て看板にはお決まりの文句が書いてある。


警告!禁止对(対)境外拍照录(録)相。경외에 대고 촬역하는 것을 금지함니다.
日本語に訳すと「国外に対して撮影・録画することは禁止。境外へ向けて撮影をすることは禁止します。」
こんな立派な展望台を整備しておいてそれは、「無理があろうと思われます。」



少し段を上がるだけでこんなに綺麗な景色を見ることができます。私以外にも中国人観光客が何組かおり、やはり写真を撮っていた。




展望台は長白鎮の入口付近にあり、近くにはこのように県内の観光地がまとめられた地図や、鎮内の施設一覧が記された看板が設置されていた。といった感じで川辺の散策をしたあとは、バスターミナルのほうへ向かった。結論から言えば、事件編でも軽く述べた通りバスターミナルは既に閉鎖されており、乗車券は買うことができなかった。ということで、途中の長白大飯店で夕食をとりつつ大人しく宿へ戻った。

(川沿編②へ続く)

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